「値段が高い家具と安い家具って何が違うの?」
「家具って高いと何が良いの?」
この記事ではそんな疑問に答えます。
こんにちは。
築43年の中古住宅をDIYでリノベーションしているサクオ(@diy-reno1)です。
今回はずばり、値段による家具の違いにフォーカスします。
私はDIYで家のセルフリノベーションはもちろん、木工もやりますし、
椅子だけで数時間は語り尽くす家具職人さんと遊ぶこともあるので、
家具のことはそれなりに分かります。
家具って値段によって品質が全然違うのですが、
モノづくりに縁のない方にはなかなか分からないもの。
そこで今回は値段による家具の違いを解説します。
※アンティーク家具は難しいので、今回の解説は新品に限ります。
ちなみに、私はプロが手間暇かけて作った高い家具が好きですが、
量販店の安い家具も全然アリだと思っています。
実際に両方使っています。
素材の違い
まず大きな違いは家具の素材です。
ソファで革張りが高く、布張りが安いように、
木を使った家具でも素材によって値段が上下します。
ウォールナット、チーク、マホガニーといった希少価値の高い木材は高く、
パインやスプルースなどの大量生産されている木材は安い。
更に、家具を構成する木材の製造方法によっても値段が変わります。
突板
ニトリやイケアといった量販店の家具のほとんどは、
突板という素材でできています。
突板はとにかく安い!
突板を断面からみるとこんな感じです。
木屑などを固めた土台に、薄いベニヤとビニールシートが重ねられています。
突板のメリット・デメリット
- 圧倒的に安い
- 軽い
- 寿命は長くない
- 経年変化しない
下で紹介する集成材や無垢材は、傷や汚れがついても、
サンディング&塗装で修復できますが、
突板はそもそも表面が薄いのでこの手段は使えません。
つまり、新品時が一番です。
また突板にも、表面がビニールシートのいかにも安いものがあれば、
表面に無垢材を使った高級感の溢れるものまで様々です。
先日、イケアの店舗で見つけたテレビ台は、ウォールナットの無垢板を使った突板、
脚はアッシュ(タモ)の無垢材という構成で37000円。
ウォールナットとアッシュの無垢材を全てに使ったら、
10万円は超えますからね。
この見た目でこの値段。これはアリだなと思いました。
集成材
集成材とは、突板のような貼り合わせではなく、
カットした木材を並べて、圧着させた人工の木材です。
木目が縞模様になるので、初心者でも見分けるのは簡単です。
集成材のメリット・デメリット
- 木の質感を味わえる
- 経年変化を楽しめる
- 耐久性がある
- 突板よりは高いものの、無垢材より安い
- 無垢材のような割れや反りが起こりくい
- 加工しやすい
集成材は値段、耐久性、加工のしやすさ、木の質感と
とにかくバランスが取れているのが強みです。
量販店の家具でも集成材はよく使われています。
ダイニングテーブルの天板が特に多いかな?
当然ながら、突板よりはお値段が上がりますが、
質感は本物の木ですね。
アカシア、パイン、桐などの集成材はホームセンターでも手に入ります。
ちなみに、我が家のダイニングテーブルの天板はタモ(アッシュ)の集成材です。
年代物で最初はボロボロだったのですが、
友人の職人さんの手でこの通りレストアーされました。
オイル仕上げなので、傷や汚れにはそこまで強くありませんが、
木のぬくもりと質感はピカイチです。
この天板だけでもかなりの重量があり、
男1人では運べないところから、やはり本物の木なんだなと感じます。
無垢材
無垢材とは、原木からそのまま切り出したありのままの木材のことです。
例えば、こちらは銘木ブラックウォールナットの無垢テーブルです。
かっこええええええええ!!!!
これは無垢材の中でも超一級品!
ゴージャスで木目がカッコいい無垢材の家具ですが、
重い、大きい、分解できない、割れやすい、反りやすい、
加工には職人さんの技術と時間が必要とあって、お値段が跳ね上がります。
無垢材のメリット・デメリット
- 見た目が最高にカッコいい
- 経年変化する
- 定期的なメンテナンスが必要
- メンテナンス次第では何世代ももつ
- 値段が高い
- 高値で売れる
- 正直扱いにくい
「多少不便でお金がかかっても、無垢がいい!あれが俺の夢だ」
というロマンがないなら無垢はおすすめしません。色々大変です。
家具ではないものの、ロマンに押された私は
我が家の床に無垢フローリングをDIYで貼りました。
無垢材らしく高い、重い、反る、割れる、膨張&収縮するとあって、
作業はかなり大変でしたが、やって本当に良かったと思っています。
素材の組み方
素材の組み方も家具によって異なります。
例えばこちらは量販店のカラーボックスの側面。
板どうしの接合にはビスが使われています。
ビスが外から丸見えにはなってしまいますが、
だからこそ簡単に分解でき、自分で組み立てることも可能です。
大量生産&大量販売に加え、分解によって運搬コストもカットできるので、
これはこれで低価格戦略に一役買っているわけですね。
続いてこちらは継ぎ手と呼ばれる組み方。
最近は機械である程度はできるようになってきましたが、
それでも綺麗に仕上げるにはプロの手が必要です。
コンコンと叩き入れて接合するので、分解や組み立ては素人にできません。
手間や技術が必要な組み方なので、当然お値段も上がります。
継ぎ手の他に、隠し釘でビスを見せない方法もあります。
大工さんの家造りにしろ、木工職人さんの家具作りにしても、
ビスや金具を表面に見せないのがプロの技。
逆を言えば、表面の見えるところにビスや金具があると、
高いものではないなあと判断できます。
隠し釘についてはこちらにまとめました。
塗装の違い
家具によって塗装の方法も異なります。
家具の塗装には主に、ウレタン塗装、UV塗装、
ラッカー塗装、オイル塗装がよく使われます。
一般的に高級家具にはラッカー塗装が用いられますが、
塗装に関しては「どの塗装が高い、安い、良い」
というシンプルな話ではないので、興味のある方はこちらのページが参考になります。
精度
飛行機や自動車と同じように、家具にも精度があります。
かなり極端な例ですが、精度が悪いとこうなります。
安い家具だと新品の状態で1mmの誤差!なんてこともあります。
(最近はだいぶ減ってきました)
高い家具ではこんな誤差はまず見かけません。
使い心地
基本的に家具は使い心地と値段が比例します。
これは全ての家具に言えることですが、
これが顕著に現れるのがソファーとマットレスだと私は思っています。
数万円のソファに座った後で、20万円以上するソファに座ってみてください。
「うぉおおお!マジか!」ってなるくらい違います(当たり前)
そりゃもう、ウーロンと悟空くらい違います。
皆様、是非お試しあれ。試すだけならタダです。
耐久性
家具の耐久性や寿命も値段によって変わります。
突板を使った家具は安いですが、耐久性や寿命という点では劣ります。
なぜなら、素材をつなげている接着剤が長持ちしないから。
こちらは接着剤が劣化して、表面が剥離した合板フローリング。
どんな強力な接着剤もいつかは剥がれます。
小さな箇所なら、自分で再接着できますが、
全体が剥がれてしまったらどうにもなりません。
一方で、継ぎ手や釘を上手く使って接合されている家具は、
値段が上がるものの長持ちします。
と言ってもこれも結局は、使用状況やメンテナンス次第ですが。
オーダーメイドか既製品か
量販店の家具は規格が決まっているので、
家具の色をカスタマイズしたりは基本的にできません。
と思ったらニトリでは一部商品はオーダーメイドがありますね。
量販店と比べると値段はぐいっと上がりますが、
カリモクでは木部の色や張地をカスタマイズすることが可能。
注文すると4週間~7週間で届きます。
個人の職人さんでは、寸法からデザインや色に至るまで、
フルカスタムのオーダーメイドを手がけられる方もみえます。
高級家具と安い家具のまとめ
ざっくりまとめると
安い家具:
- 素材と価格が安い
- 自分で組み立てられる
- 軽い
- 耐久性や寿命はあまりない
- たまに精度が悪いことがある
- 高い家具ほど使い心地は良くない
- 基本的に規格が決まっている
高級家具
- 高級な素材
- 見た目がかっこいい
- 経年変化を楽しめる
- 釘や金具が見えない
- 自分で組み立てられない
- 重い
- メンテナンスが必要
- メンテナンス次第では長持ちする
- 手間がかかる
- オーダーメイドもある
- 高値で売れる
二元論でまとめるとこうなりますが、
実際はこの間にある家具が多いですね。
それこそ、めっちゃ使い心地が良くて、見た目もカッコいいのに安い!みたいなね。
家具の量販店はめっちゃ凄い
ちなみに、私自身や私のまわりのプロは、
ニトリやイケアのような量販店が嫌いなわけでは全くありません。
家具の製作過程が分かるからこそ、量販店の凄さが分かります。
「この家具をこの値段で出して利益だせるのか!!」
のオンパレードです。本当に凄い。
やはり大量仕入&大量生産でコストダウンしているので、価格あたりの品質というコスパで考えたら量販店の製品はぶっちぎっています。
製品の設計から、材料の調達、製造、流通、販売に至るまで、
よく研究されています。
物によってはプロでも、量販店の製品と一目で見抜けませんからね。
実は皆さん、結構使っています笑
良い家具とは何か?
では、良い家具とは何でしょうか?
私が考える良い家具とは、自分のニーズに合っていて、
自分が満足できるものです。
必ずしも「値段が高い=良い」ではありません。
職人さんが手間暇かけて作る家具は立派で憧れますが、
何もかもそれで揃えるのは、普通の人では予算の関係上無理です。
それに、高級家具は重くてメンテナンスが大変と、
不便なことも多いので気軽に使えません。
100万円するテーブルに、子供がおもちゃを
ガンガン叩きつけてハッピーでいられますか?(白目)
予算を考えながら、自分のニーズに合った家具を上手に選びたいですね。
まとめ
というわけで、今回は高級家具と安い家具についてまとめてみました。
我が家のDIYリノベーションがほぼ完成しているので、
最近は家具をどうするかを考えます。
私の方針としては、
「人目につくもの、よく使うもの、大きいもの」
の全てを満たす家具に関してはちょっと高めの家具を、
それ以外のものは量販店のものから吟味して選ぶという方向でいきます。
今日はここまで。
ちゃんちゃん
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