【シックハウス対策】健康な住宅のための建材の選び方

「シックハウスを防ぐにはどんな資材を使えばいいの?」

「DIYで安全安心な素材を使いたいけど、色々な規格があって分からない。どれが安心なの?」

この記事はそんな方のために書いています。

普段、何気なく使っている建材の健康への影響って気になりますよね。

今回はDIYでよく使う建材の安全規格について解説します。

シックハウス症候群とは

シックハウス症候群については、
耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

シックハウス症候群とは、住宅のカビやダニ、
化学物質などによって引き起こされる健康障害のこと。

当記事では主にこの化学物質について書きます。

シックハウスの原因としては、VOC
(Volatile Organic Compounds、揮発性有機化合物)が指摘されています。

代表的なものはホルムアルデヒド。

消費者をシックハウスから守るために、
様々な基準が設定されています。

改建築基準法での規制

改建築基準法によって、シックハウス症候群を引き起こすとされる
ホルムアルデヒドの放散区分が規格化されています。

空気中への放散量が最も少ないものはF☆☆☆☆と表記されます。

【DIY】F☆☆☆☆(エフフォースター)と健康に配慮した建材の選び方。

例えばこちらの木工用ボンドは☆4つなので、
この基準を満たしていると言えます。

放散量が多くなるにつれて☆が減り、

☆2~3は内装材に使う場合は使用面積に制限がかかり、
☆1に関しては使用が禁止されています。

私のDIYリノベーションやホームセンター歴を振り返っても、
ほとんどの商品にF☆☆☆☆が表記されています。

私の印象では、一般消費者向けの商品については、
F☆☆☆☆が当たり前で最低基準という感じ。

しかし、これもあくまでホルムアルデヒドの飛散量をクリアしているだけで、
他のVOC(揮発性有機化合物)の放散量とは関係ありません。

JAIAの4VOC

続いて、JAIA(日本接着剤工業会)が定める4VOC規格。

F☆☆☆☆(エフフォースター)と健康に配慮した建材の選び方。健康住宅を自分で作ろう。

4VOCとは、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンの
4つを指し、この放散量が基準値以下の場合、
「JAIA 4VOC基準適合」とパッケージに表記されます。

ホルムアルデヒドとは別で、更に4種類のVOCの基準をクリアしているので、
JISに加えてこの表示があったら安心できますよね。

文部科学省によるシックスクール規制

シックスクールとはシックハウスの学校版です。

学校の新設や改修工事などが行われた後、
厚生労働省が定めるホルムアルデヒドを含む6物質の放散基準に従って、
文部科学省がチェックするという仕組みがあります。

児童や生徒のシックスクールを防止するためですね。

例えば、こちらのウレタンニス。

F☆☆☆☆(エフフォースター)と健康に配慮した建材の選び方。
健康住宅を自分で作ろう。塗料を賢く選ぼう。

こちらもF☆☆☆☆。更にシックスクールにも対応しています。

つまり、4VOCに加えて、ホルムアルデヒドとパラジクロロベンゼンと、
合計6種類の放散が基準値以下という意味ですね。

このウレタンニスは結構高いのですが、
それも納得できる気がします。

厚生労働省による規制13物質

最後に厚生労働省が室内濃度のガイドラインを設けている13物質。

例えばこちらのフローリング用の接着剤。

F☆☆☆☆(エフフォースター)と健康に配慮した建材の選び方。
健康住宅を自分で作ろう。塗料を賢く選ぼう。
シックハウスを防ぐためのDIY素材選びを紹介します。

両方ともこの13物質に完全に対応しています。

ホルムアルデヒドを含む13物質対応ということで、
先ほどの4VOC、シックスクールの6物質も含まれており、

今普及している規格の中では一番幅が広いものになります。

つまり、化学素材を使うのなら

「厚生労働省策定の13物質を使用していない」
と表記されている商品を買うようにしましょう。

ちなみに、このボンドは、
私が実際に無垢フローリング貼りに使用したものです。

フローリング貼りについては、こちらの記事にまとめました。

問題点

ただ、こうした規格も完璧ではありません。

VOCには約200種類があるとされ、
現在のところ、基準が策定されているのはわずか13種類。

こうした基準も最初はホルムアルデヒドだけでした。

しかし、少しずつ他の物質へも広がっていること、
F☆☆☆☆が当たり前になっていることから、

メーカーが規制されていない物質を使用し、
基準を回避していることも考えられます。

自然素材と化学素材のコスト比較

では、自然素材だけを使用すれば良いかというと、
そういう訳にもいきません。

なぜなら、自然素材の建材はコストが跳ね上がるからです。

例えば、こちらの自然素材の接着剤と

こちらのよくある木工用ボンド。
厚生省の13物質をクリアしているものです。

同じ500gで7倍ほどのコスト差があります。

これはあくまで一例ですが、
基本的に自然素材は高コストです。

この木工ボンドは化学素材とはいえ、安全と名高いもの。

それでも7倍のコストを払って、自然素材を使う必要はあるのでしょうか?

この答えは個人次第ですね。

化学建材なしでは成り立たない建設業

理想を言えば、全て自然素材なら最高です。

しかし、現代の住宅の全てが化学建材なしでは成り立ちません。
有名ハウスメーカーの住宅や賃貸アパートだってそうです。

コストを抑えるために、
どんな建物にも大量の化学建材が使われているのが現実です。

建物どころか、家具、調理器具、日用品と幅を広げたら、
もうキリがありません。

大切なのはどこで折り合いを付けるかということ。

私達は自然素材を使いながら、
化学素材とも上手に付き合っていく必要があります。

まとめ

  • VOC(揮発性有機化合物)がシックハウスを引き起こす
  • 消費者を守るための規格がある
  • 現代段階では厚生労働省が策定する13物質の基準が最強
  • しかし、規格は完璧ではない
  • 自然素材は高コスト
  • 化学素材も上手に活用していく必要がある

私は現在、中古住宅をDIYでリノベーションしています。

「なるべく自然素材で、無理なら最低限の化学素材を」

というのもリノベーションのポリシーの1つです。

実際に、天井は無垢の松、壁は漆喰、床は無垢のフローリングです。

自分で手掛ける家づくりだからこそ、
こうした商品選びからこだわることができます。

第三者が作る家となると、
裏側がどうなっているか分かりません。

健康への影響を気にせずに、
リラックスできる空間を作りあげたいですね。

ちゃんちゃん

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