リノベーション中に見つけた40年前の職人技3選

今回のリノベーションでの和室解体作業で、見つけた職人の技を紹介します。

どれも私一人だったら素通りでしたが、友人知人のプロの目線のおかげで
発見できました。現代の新築住宅ではまず見ることのない貴重な昔の職人技です。

手作業で作られた障子細工

まずはこちらの部屋の入り口です。障子戸に注目。

一見、普通のよくある障子戸です。

実はこの障子戸ちょっと珍しい形をしています。

障子で画像検索をかけてみると、ほとんどの障子戸は
格子状に中の細工が組まれています。
ところが、この障子戸は四隅の細工が曲線をえがいていますよね。

拡大するとこんな感じです。

この箇所は細木に1~2mm単位でノコギリで切り目を入れて、綺麗に曲げられています。
切る深さを調節できる電動工具がなかった時代にこの技です。
当時の職人さんによるもので、現代ではなかなか見かけない作りだそうです。

実は私、この戸を捨てる気まんまんでした。

ところが、知人のプロの家具職人さんが遊びに来た際に、
その職人さんがすぐに目をつけたのがこの障子戸でした。

「これは貴重なものだから絶対に捨てないように!」とのことでした。

大事にします!

家づくりに見た鍛冶屋の技

次はこちらです。
これは吊り天井を撤去する前に、天井裏を撮影したものです。

↑の青で囲った箇所に使われている金具がこちらです↓
金具というか釘の一種ですね。

実はこの釘、40年以上前に当時の鍛冶屋さんが手作りしたものだそうです。
現代の住宅で使われている釘やビスは全て工業製品です。
でも当時はそれも手作りだったのですね。今やビンテージ品です。

こちらの釘は現代ではかなり入手が難しくなっているそうです。

これも、リノベーションのブレーンを務めてもらっている友人の大工さんが
見つけました。

吊束に秘められた大工の技

最後はこちらの吊束つりづかです。

和室で障子戸の上のレールの部分を吊り下げていたパーツです。

比較用のバールが60cmなので、全長90cmくらいあります。
太さは10cm四方くらいですね。

こちらの何がすごいかというと、

はめ込む箇所が全て手彫りです。
釘を使わずにはめ込んであります。

現在の家造りでは、単価と工期の問題で、
これほど手の込んだ仕事はかなり少なくなっています。

大工の世界では、和室を綺麗に作れる大工さんが家づくりの頂点に立ちます。
こうやって大工さんの仕事を少し見るだけで、いかに彼らの職人技がすごいかが分かります。

リノベーションして良かった!

現代の住宅は、住宅としての役割を終えるとき、
つまり取り壊す時にほぼ全てがゴミになると言われています。

ところが、こうした古い家は違います。
出る素材のほとんどが再利用が可能で、中には現代では手に入らない素材も
たくさん使われています。

お金をかけても現代では手にはらない素材と技術で作られた空間に住めること、
これもDIYリノベーションの大きな魅力の一つです。

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