【日本では違法】ビールを自家醸造する方法

我々DIYヤーは何でも自分で作り、何でも自分で直します。

ビールとて例外ではありません。

「ビールは買うものだ」というイメージが日本では完全に定着しています。
というか、日本でお酒を自家醸造するのは違法です。

しかし、海の向こうでは必ずしもそうではありません。

もちろん、市販のビールはたくさんありますが、
ビールの自家醸造自体が合法で人気もあります。

今回は私がカナダにいた時に、友人と行ったビール自家醸造を紹介します。

ビールの自家醸造に必要なもの

実はビールの自家醸造はそんなに難しくありません。

手順を簡単にまとめると、プロセスはこんな感じ。

  1. 器具の洗浄と殺菌
  2. モルト(麦芽)の精白
  3. モルトを水に浸す
  4. 煮沸
  5. 酵母を加えて発酵
  6. 完成

必要な期間は仕込みに半日。発酵に最低2週間です。

必要な機材や材料は全てオンラインで手に入れました。

オンタリオ・ビール・ケグという店は激アツです。

マジで何でも手に入ります。

5ガロン(約18L)を作れる全材料が入ったキットが5000円で買えます。
350ml缶が51本作れる計算。

つまり、上手くストレートにいけば1缶100円で作れることになります。

これは金麦もびっくりな価格です。

ビールを仕込む

今回はバーリナーワイズというクラシックなドイツ流のビールを仕込みます。

まず大麦の種が発芽したもの(麦芽)を用意します。

オンラインショップで簡単に手に入ります。

基本は大麦ですが、この時は小麦の麦芽も使用しました。

左が小麦、右が大麦の麦芽です。麦芽とは英語でモルト。

この時に何のモルトを使うかでも仕上がりが変わります。

計量したら、麦芽を精白。

このグラインダーも頭の部分はオンラインで手に入るので、
あとはDIYで板を取りつけるだけ。

少量の塩を量って、

水に加えて、モルトと一緒に鍋に入れます。

ザルやネットのようなものが鍋の内側に取りつけてあり、
後でモルトを取り除けるようになっています。

モルトを水に1時間ほど浸します。

1時間経ったら、モルトを取り除きます。
モルトに含まれた水分をしっかり落とすのがポイント。
取り除いたモルトはもう必要ありません。

ここで60分ほど煮沸します。

この段階でホップを段階的に加えていきます。
沸騰初期に入れると苦味が出やすい。

もちろんホップもオンラインで入手できます。

煮沸できたら、鍋を火から外して、20度まで冷やします。
20度まで冷えたらイーストを投入。

早速泡がぶくぶく上がってきます。

発酵用の容器にビールを移し替えます。

【日本では違法】海外でビールを自家醸造した時の話。

表面に温度計を設置。
容器の口のところにはエアーロックを取りつけます。

このエアーロックは、アルコール発酵によって発生するCO2を外に逃がす役割があります。

冷暗所にて、常温で2週間〜1年間寝かせます。

もうワクワクが止まりません。

自家醸造したビールの完成

2週間経ったら、ケグと呼ばれる小さな樽にビールと移します。

あとはその辺で買ってきた冷蔵庫に、ホールソーで穴をぶちあけて、
サーバーを取りつけます。

ケグを冷蔵庫に入れて、このサーバーとケグを接続したら完成。

冷蔵庫を改造して作った自家製ビールサーバー。

このセットアップやばいでしょ?

ビールも滅茶苦茶美味い!

店で買ったビールと言われても分からないクオリティです。

ビールは自然発酵の段階で炭酸が溶けこんでいますが、
お好みでCO2ボトルと接続して更にカーボナイズさせることもできます。

炭酸を更に加える感じです。

CO2は溶接屋で入手可能です。

「あー、ビールに炭酸もっとほしいなあ。ちょっと溶接屋でCO2買ってくるわ」

という会話が行われるわけです。

溶接屋とビール醸造をジョイントさせるという発想がもう素晴らしい。

日本でビールの自家醸造は違法

これは私が海外にいたからできたことで、日本でやってはいけません。
日本では家庭用でも密造になり、もちろん違法です。

日本でビールを作るには酒類製造免許が必要で、
これは税務署の管轄になります。

例え営利目的でなくても、この酒類製造免許もそう簡単に取れません。

ビール業界の利権のにおいがぷんぷんするぞ。

「梅酒や杏酒作ってる人いるじゃん」って思う方いますよね?

あれはホワイトリカーという市販のアルコールを使っており、
アルコール発酵そのものを行っているわけではないのでOKなのです。

ちなみに、酒類の自家醸造が摘発された場合、機器類は全て没収され、
10年以下の懲役又は100万円以下の罰金という罰則まで付きます。

悪いことは言いません。お店で買いましょう!

日本とはちょっと違うカナダのビール事情

カナダのビール事情は日本とはだいぶ異なるので、紹介します。

ビールの酒類が豊富

まずこれです。

日本のビールのほとんどがラガーで、更にピルスナーと言われる種類です。
海外のビールでいうと、バドワイザーやハイネケンもピルスナーにあたります。

しかし、カナダで酒屋に入ると、もちろんピルスナーもありますが、
それ以外に、インディアンペールエール、スタウト、ペールエール、アンバーエール、
ベルジャンホワイトなど、数え切れないくらい様々な種類があります。

もちろん、基本は同じとはいえ、製法もそれぞれ異なります。

今回の記事で取りあげた自家醸造ビールもあくまでその無数にあるパターンの1つでしかありません。

その日の気分によって味を変えられるのは楽しいですね。

地ビールが多い

カナダでびっくりしたのは地ビールブリュワリーの数です。

おそらく各町に1つはありそうな勢いです。
私が住んでいた人口4万人もいない町ですら2つありました。

調べてみたところ、カナダ国内で現在700以上のビールブリュワリーが稼働しているようです。

もちろん、営利目的なので、きちんと許可を取る必要があるとはいえ、
この数は凄い。だって人口3700万人の国で700の醸造所ですよ。

それくらいノウハウが確立されてのでしょう。

ちなみに、腕の良い醸造家はそのまま大手のビールメーカーにリクルートされることもあります。

公共の場所での飲酒は違法

日本ではその気になれば電車の中、駅、道端でも飲酒OKです。
しかし、これは日本での話。

カナダやアメリカでは基本的に家と店以外の飲酒は違法です。

旅行に行って、日本と同じ感覚で道端でビールを開けないようにしましょう。

少量なら飲酒運転もOK

カナダでは飲酒運転の基準が日本よりも緩いので、
ビール1杯くらいなら飲んで運転しても大丈夫です。

まず、現地の人は日本人より飲めるし簡単に酔わない。

そして、運転するにしても道が広くて真っ直ぐなので、事故りにくい。

そもそも、超自動車社会で公共交通機関がしょぼいので、
運転できないと飲みにいけない。

という事情があります。

もちろん、運転中の飲酒はダメ。

それどころか、運転手の手の届く範囲にお酒が未開封でもあってはいけません。
買ったお酒はトランク直行です。

日本の事情とは全然違いますよね。

まとめ

というわけで今回はカナダのビール自家醸造ネタでした。

私は7年半をカナダで過ごし、その中で本当に数多くのことを学びました。
その良かったことの1つが、自分の常識が覆される経験をたくさん積めたことです。

このビール自家醸造だってそうです。

日本にいると、そこは自分が生まれ育った国であり、
同じ文化で同じ人種に囲まれることになるので、
頭を鈍器でぶん殴られるような衝撃を受けることはなかなかありません。

海の向こうには私たちが発想すらしないことを考え出す人がたくさんいます。
そういった人たちに囲まれたのは貴重な財産です。

自分の中の常識にとらわれない力、これからも大事にしていきたいです。

私の常識をぶち破ってくれた方々の紹介はこちらの記事にて。

ちゃんちゃん

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