たまにやってくるカナダシリーズ。今回は2014年まで遡ります。
場所はカナダ北部のとある田舎町。そこで5万円で車を買ったお話です。
「車が5万で修理して車検して税金払って、どうせ合計30万くらいかかったんでしょ?」
違います。全て込みで公道を走らせるまでに5万円です。
ドアが開かない車を買うまでの経緯
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私が仕事とビザを求めて、その土地に引っ越してきたのは車を買う数ヶ月前。
中国人が経営する貧乏シェアハウスの入居費用を払ったら手元に残ったのは約2万円。
頼れる友人や知人がいるはずもなく、私にはマウンテンバイクと元気な身体しかありませんでした。
しかも無職です!大したスキルもありません。
日本国内でも無謀ですが、これはカナダでの話です。英語も当時は微妙でした。
どう考えてもヤバいですよね。
幸いなことにすぐに飲食店の仕事が見つかり、
私は10km離れた職場まで毎日マウンテンバイクで通勤するようになりました。
カナダでは給料が2週間毎に支払われるので、2万円からのスタートでもなんとか
首の皮一枚で食いつなぐことができました。
その時は夏だったから良かったのですが、困ったことに冬が近づいてきます。
この場所の冬は−30度を下回ることもあるので、雪道を自転車10km通勤は無理です。
そこで、よし車を買うか!ということになりました。
5万円でドアが開かない車を買ってみた
車のスペック
ないツテをたどって、知り合いの知り合いから安い車を売ってもらいました。
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95年製フォルクスワーゲンのゴルフです。左ハンドルでマニュアル。
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この年は10月に雪が積もって、もう時間がなかったので4万円ちょっとで即決。
そして、これが安かろう悪かろうの塊でした。
- 走行距離24万キロ
- 運転席のドアが開かない → 助手席から乗り降り
- トランクも開かない
- サイドブレーキが効かない
- 常時オイル漏れ → たまに注ぎ足す必要あり
- フロントガラスはヒビだらけ
- ブレーキランプ破損 → 中の球は生きてるので、赤テープ補修でOK
- −20度を下回るとエンジンがかからない → 3時間毎に仕事を抜けてエンジンをかける
でもここで冷静に考えましょう。
確かに欠陥だらけですが、少なくとも自走は可能。
ブレーキはちゃんと効くし、フロントガラスのヒビなんてその地域では普通です。
前のオーナーもこう言っていました。
「高い金払ってドアとか直すよりも慣れた方が早いし安いでしょ? No Problem!」
私はこの言葉に、頭を鈍器でぶん殴られたような衝撃を受けました。
どうですか?
デートに男がこの車で迎えに来たら、世の女子はドン引きですよね!
だって、「ちょっとごめん」って言って、男が先に助手席から乗るんですよ。
助手席のドアが開くことがせめてもの救いです。
カナダの車検制度と車の初期費用
カナダには車検がありません。だからこんなボロ車でも合法的に走れます。
私はドアやバンパーがない車も見たことがあります。
更にそのエリアでは車に税金がほぼかかりません。
強いて言うなら、年間登録料4000円くらいですね。
最終的なコストは車両代4万ちょっとに登録料合わせて5万円でした。
ただ、まだ大問題があります。
そう、私はカナダの運転免許を持っていませんでした。というわけで
車も手に入ったので私は早速免許を取りにいきました。
カナダで運転免許を取得
カナダは超自動車社会なだけあって、運転免許は日本よりもずっと簡単に取れます。
現地の子供は15歳で免許をとって、高校は車通学なんて割と普通ですからね。
最初の筆記試験を通れば、免許保持者同席のもとで公道でも運転が可能。
それで練習を積んでから運転テストを受けにいく流れです。
なんなら、私は運転テスト当日に運転免許センターまで自分で運転していきました。
実際の試験では、自分の車の助手席に試験官を乗せて、その指示に従って一緒に町を走ります。
さすがに試験官も私の車のシートベルトを見て苦笑い。
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どう乗ったらこうなるんだよ!と私は前オーナーに聞きたい!
車を買ってから免許を取りに行くという妙な順番になりましたが、
無事に免許も取れたので、私のハッピーカーライフ生活が始まりました。
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結局この車には色々と問題が出てきて、たくさん直す羽目になったんですけど、
それでも車を買って本当に良かった。この車のおかげでいろんなところに行けたから。
しかも燃費が16km/Lあったので、この点は優等生ですね。
そして、私は1年くらい乗った後にこの車をほぼ買値の4万円で売却しました。
そうしたら、いくつか修理されて10万円で売りに出されていました。笑
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なんと!ドアも開くようになっていました!
次に買った車は日産のエクステラというSUV。
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日本のエクストレイルの北米仕様なイメージです。
この車もなかなか楽しかった。
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カナダでのカーライフから学んだこと
今回、紹介したカナダの車事情は日本の皆さんにとって、常識外れそのものだと思います。
車以外ではビールでこんなこともありました。
車やビールに限らず、カナダでの生活全てを通して私は得られたことがあります。
それは、自分の中にあった常識という固定概念に縛られなくなったことです。
だから、今どんなモノや情報に接しても、
「みんなが信じてるけど、これは本当にそうだろうか」という視点を持てます。
例えば、私が現在住んでいるような日本の田舎では、家は新築を建てるというのがまだまだ普通です。
ここで「本当にそれが自分にとって正しいのだろうか」という視点を持てるからこそ、
私は築43年の家をDIYでリノベーションするという選択をとることができるわけです。
概念、ルール、情報などを鵜呑みにしてしまう人と、それを区別できる人。
情報の溢れる現代においてこの差は大きなものになります。
最近でいうと、コロナウイルスのデマやフェイクニュースに踊らされる人とそうでない人のように。
私は常に後者でありたい。
というわけで、今回は私のカナディアンカーライフの話でした。
ちゃんちゃん
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