私はカナダで銃の免許を取った

またまたカナダネタです。

実は私、カナダでPAL(A possession and acquisition licence)という銃の免許を持っています。

カナダに住んでいた時、現地の友人と猟に行くことが何回かあって、
そこで自分も免許と銃が必要だと思ったからです。

アメリカほどではないとはいえ、カナダも銃社会。
その銃文化がなかなか面白かったので、今回は銃について書きます。

カナダで銃の免許を取るには

カナダで銃の免許を取ることはそれほど難しくありません。

2日間の安全講習(座学&実技) → 講習最後に筆記と実技テスト

試験後、合格用紙を添付してカナダ警察に申請 → 審査に通れば免許ゲット

という流れです。

免許なしでは銃の所有と売買ができません。
免許を持っている友人の監督下で撃つとかはOKです。

この銃免許はカナダ国内だけのもので、日本では使えません。

銃の講習

座学講習では、銃の歴史、種類、弾薬、安全確認、輸送、保管、
事故例、法律関係、責任意識などを学びます。

使用するテキスト

もちろん講習は全て英語です。

実技講習では、ライフルとショットガンで合わせて全5種類を扱います。

試験会場の隣にバイアスロン競技場があるのがいかにもカナダらしい。

実技といっても実射撃はありません。
準備〜構え&構え〜片付けを学びます。この基本が滅茶苦茶大事です。

きちんとした知識がなければ銃は大いに凶器となり得ます。
先生は何度もこう言いました。

「全てあなたの責任です。ついうっかりや知らなかったが悲劇を生みます」

講習を通して思ったのは、
車や刃物と一緒で正しく扱えば銃そのものは恐くはないということ。

危険なのは誤った人に銃が渡ってしまうこと。誤った使われ方がすること。

例えばこちら。銃身が完全に真っ二つです。

冬季のハンティングに使われたものです。

持ち主が雪が降るなか外に持ち出し、家に持ち帰ってきたらところで暖房の側に置きました。
しばらくしたら、そのまま銃を外に出して、翌日にその銃とともにハンティングへ。

銃身の中に入り込んだ雪が溶けて再凍結したことを知らずに引き金を引いて大暴発。
顔を火傷して銃身は真っ二つ。

保管の仕方に問題があり、使う前の確認を怠った持ち主の責任以外ありません。

これ以外に、子供が間違って兄弟を撃ったなんていう事故のストーリーも聞きました。
本当に恐いですよね。

実弾とライフル射撃

こちらが実弾です↓

上2つはショットガン(散弾銃)といって、細かい鉛の球が炸裂することで、
広い範囲をカバーできます。動きが速いターゲットに効果的。ただし、射程は数百メートルと短い。

その下の大きなものがライフルの弾。
射程が数キロと長く、威力が強いのが特徴。猛獣などの大きなターゲットに使います。

一番下の小さなものが小型のライフル用。小型動物に対して使います。

友人と大型のライフルで射撃を楽しむ私↓

日本ではショットガンを10年以上使った者でないとライフルは持てません。
肩にかなり衝撃がくるので、しっかり構えないと危険です。

映画を見ている限りでは、銃の扱いは簡単そうです。
しかし、実際に銃を安全に正しく扱うには覚えることがたくさんあるし、もちろん練習も必要です。

さて、映画と銃といえばシュワルツネッガー!

映画ターミネーター2ではシュワちゃんが、バイクを華麗に乗りこなしながら
片手で銃をぶっ放すシーンがあります。

私の射撃を見てもらえば分かってもらえると思いますが、銃を撃つとかなりの反動があります。

しかし、シュワちゃんはあれを高速で走るバイクの上で片手撃ち、しかも百発百中です。
生身の人間ではまず不可能です。普通は片手で構えることすらできません。

あれはシュワちゃん演じる次世代型サイボーグのターミネーターだからこそできる技です。

銃のことがちょっと分かると映画が楽しくなります笑

例えば、バック・トゥ・ザ・フューチャー3で、
主人公のマーティーが振る舞われたウサギを食べている最中に
何かを吐き出すシーンがあります。

その吐き出した小さなものがショットガンの弾だというのも私は分かりました。笑
弾が小さいので獲物から取り除けないのです。

カナダでの銃免許の申請事情

講習後の筆記と実技テストをパスすると、銃の所持許可証を申請できるようになります。

テストの合格通知、申請書、顔写真、5000円の申請料、
知り合って3年以上経つ友人の推薦書2枚、無犯罪証明書を
カナダ警察に送って、審査に通れば正式にライセンスが発行されて、
ライフルとショットガンをお店で買えるようになります。

日本ではショットガン以上に厳しく管理されるライフルをいきなり買えます笑

※携帯できるような小型銃には別の講習と免許が必要です。

この申請書がなかなか面白くて、犯罪歴、自殺未遂歴、アル中薬中歴、
精神疾患の有無、同世帯の所有禁止人物の有無はもちろん、
過去2年間の全配偶者の情報まで全て申告する必要があります。

例えば、元配偶者に警察から確認連絡が入り、

「私の元旦那マジで頭おかしいから絶対に銃免許なんて渡したらだめ!」
ということも結構あるらしい。

厳しいように見えますが、日本で免許を取るには膨大な書類に手間、
更に十数万円の費用がかかることを考えると、随分緩く見えてしまう。

銃犯罪というとアメリカのイメージが思い浮かびます。

しかし、不思議なことにカナダの銃犯罪はお隣のアメリカより圧倒的に少ない。

私の憶測ですが、講習と免許が必要なようにカナダにはアメリカ以上の銃規制があること。
更にカナダでは全ての銃が登録制で、銃の所有がより管理されていることが
功を奏しているのだと思います。

まとめ

というわけで今回はカナダの銃免許事情についてでした。

これまで私は銃について少しネガティブなイメージを持っていました。
しかし、しっかりと銃について学ぶことで、そのイメージを自分の中で払拭し、
正しい知識をつけることができました。

銃は正しく使えば大変便利なツールです。

警察がすぐに来れない場所に住む人の自衛のため、
猟で肉を獲るため、バイアスロンなどのスポーツのためなど、
銃は現地の人々の生活にはなくてはならない道具です。

凶器となるのは、誤った人に渡った時、正しく使われない時です。
私がリノベーションで使う電動工具も全く同じです。

どんな道具もしっかり安全に使いたいですね。
猟についてはまた別の記事で書きたいと思います。

つづく

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